PIPSとマイツール

PIPSとマイツールは、最初からソフトとして目的が違うように作られているので当然両者は違います。

話が長くなるかもしれないけど、過去に戻って、その辺のことを徐々に紹介して行きましょうかね。
15年以上も前になるから、別に問題になることもないでしょう。 かえってマイツールの素晴らしさを再認識する材料になるかも知れませんし。

PIPS?

PIPSなんて何のことだかわからない人もいるでしょうから、はじめに説明しておきましょう。
リコーがパソコン事業に参入したのは1983年からです。 以前からオフコンはやっていましたが、事業的にはあまりうまく行ってない状況でした。 その少し前に電卓事業からも撤退していましたから、「我社はキーボードのついているものは駄目だ」 という雰囲気が社内に漂っていました。

リコーがパソコンを始めた時、既に20数社が参入していましたから、最後発というところです。 先発メーカーに SORD社(ソフト・アンド・ハード です )があり、そこが持っていたのが PIPS(パン・インフォメーション・プロセシング・システムだっけかな )というソフトです。 発売されたのは1980年前後じゃないかな。 これは日銀にいた望月さんという人が開発し、長谷川さんがそれを業務に使いながら商品として完成していったものです。

長谷川さんなんていっても知らない人の方が多いかもしれないので、ちょっと説明しますと、現在イージーコンピュータの社長の荒川さんと共にリコーに「マイツールによるパソコン事業戦略」を提案してくれた人です。 当時、千葉県館山の三和仏商という葬儀屋の社長で、荒川さんもそこに一緒にいました。 SORDと二人の関係というのもなかなか面白い話なんだけど、あまり関係ないので省略。

PUC

PIPSがあったからSORDも結構頑張れていたわけで、ビジカルクを使うためにアップルが売れたというのと似てます。 PIPSにも熱烈なファンがいて、PUC(ピップス・ユーザーズ・クラブ)というのもありました。 PIPSの最初の説明会に西先生が出席し、感激したというのも知られてますよね。 西先生と言っても知らない人がいるかもしれないけど、、、、まあいいか。いちいち説明してると長くなるから。

というようなわけで、当時のパソコン業界で簡易言語という1ジャンルを作った代表ソフトが PIPS だったのです。

昔の資料探したら、PUC新年会での話題という報告書が出てきました。
この内容がとても面白いんですよ。 ソードの佐藤常務に出席者が色々希望やら苦情を言ってるのを紹介しています。
ここで内容を書くのはちょっと止めておきますが、最後に私が
「ユーザーズクラブをリコーが作る場合、どの程度リコーが入るかを決めておくことが大切だろう。 PUCの場合はソードがノータッチだったので、ユーザーの間で今回のような不満が出てきていると思う。 ただ、あまり深入りすると、ほとんどマニア的常連に要望のみ出され、それを聞かないと又何か言われる事になる。 ソードと同じユーザークラブというのでなく、素人が気軽にこられるクラブで、彼らの考え希望等がいろいろ聞けるような雰囲気なら、今後の開発の仕様作りに役立つと思う。」
なんて感想を書いてます。

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